それなのに、やっぱり好きです。
あいつなんて、あいつなんて……!!!
そう思っても、やっぱり好きで。
どうして、嫌いになれないんだろう……っ
紫のもう少し濃い、いわゆる濃色と呼ばれる色。
その色で、筆箱からかばんにマフラー、
そして最近判明したことだけどパンツでさえ、統一している。
普通だったら近付きたくないタイプ。
それなのに、悔しくも顔立ちが少しばかり良いせいで、
"ミステリアス王子"なんてもてはやされ、
彼の周りには女の子が絶えない。
無意識にイラついたようで、
黒板を書き写していたシャーペンの芯が折れて
どこかに飛んでいった。
次の芯を出そうとしてもなかなか出てこなくて
苛立ちがつのる。