それなのに、やっぱり好きです。


あいつなんて、あいつなんて……!!!




そう思っても、やっぱり好きで。






どうして、嫌いになれないんだろう……っ













紫のもう少し濃い、いわゆる濃色と呼ばれる色。







その色で、筆箱からかばんにマフラー、




そして最近判明したことだけどパンツでさえ、統一している。








普通だったら近付きたくないタイプ。





それなのに、悔しくも顔立ちが少しばかり良いせいで、




"ミステリアス王子"なんてもてはやされ、



彼の周りには女の子が絶えない。






無意識にイラついたようで、



黒板を書き写していたシャーペンの芯が折れて



どこかに飛んでいった。






次の芯を出そうとしてもなかなか出てこなくて



苛立ちがつのる。

< 10 / 20 >

この作品をシェア

pagetop