それなのに、やっぱり好きです。
「ひっどーい!花華なんてもう嫌い!!」
「ああ、そう。」
素っ気なく返事をして、帰る準備を再開する。
だけど珍しく静かになった隣を不思議に思って顔を向けると、
そこには涙をいっぱいに溜めた姿があった。
ぎょっとして、思わず凛に手を伸ばす。
「花華なんて!花華なんて!もう知らない……!」
だけどその手を振り払ったかと思うと、
くるりと背を向けて走り出した。
そういえば、彼氏とケンカしたって言ってたっけ。
ただでさえ不安だっただろうに、悪いことしちゃった…。
「凛!」
慌てて追いかけようと立ち上がる。