それなのに、やっぱり好きです。
まさに、ぬかに釘。
その状況に、花華は目を細めて息を吐いた。
……うっとうしい。
ぬかから窓の外へと視線を移す。
茜色と言ってしまうのはもったいない。
綺麗だけど、すこし恐怖心を与える、夕日色のキャンパス。
そこに曇り色の雲が浮かぶ。
こうして、じっと見ていると吸い込まれそうだった。
どこまでも続く空。
そして、時代さえも超える空。
いつのまにか王子に洗脳されていたようで、
クスリと笑みを零した。