kuro


「おねーさん....?」

フリーズした私に少し動揺をみせるくろ。


「嬉しくなかった?迷惑.....だった?」


迷惑?
そんなこと、何があったってあり得ない。


咄嗟にブンブンと首を横にふった。


「そっか。でも、あんまり嬉しそうじゃなかったか「嬉しいよ!」 ....へ? 」



やってしまった。

理性ではこれ以上くろに近づいてはいけないとわかっている。

こんな訳のわからない独占欲など、
持って接触してはいけない子なのだ。

そうは思ってるのに、
口が動いてしまう。


そんな子犬みたいな顔で私を見ないで。



.....突き放せないよ。




「嬉しいけど、混乱、してて。
ごめん。うまく返せなくて。
くろはgenで玄斗で、玄なのね...。」


「そっか。混乱しただけで.....良かった。」


そう安心したような声を出して私の中指にもう一度指輪を差し込んだ。



「また、来てくれる?」









私に首を横に振ることなんてできるはずもなかった。


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