kuro



カフスからブラックダイアモンドまで
凹凸を確かめるように指を滑らせる。


たった数センチしか触れていないのに
身体中の神経が騒いだ。


冷たいと思っていたピアスは
思いの外温かった。

くろの耳を傷つけてしまわないように
ゆっくり慎重に指を滑らせ
そのままの流れで頬に手を伸ばしたその瞬間。




ぱしっ




「何してるのー?」




くろが、私の手を取った。


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