kuro
畳み掛けるように言葉を捲し立てると、
光は待ってと僕の口を手で塞いだ。
どうしたら良いの。
断られたら寂しすぎるよ。
びくびくしながら
光がいった通り「待って」いると。
「早すぎる。
展開が、早すぎるよ。」
そうかな。
「それに。
同棲してくろが嫌になって
離れていくのも、怖いよ。」
少しだけ光の声が震えているのに
気付いて、僕はやっぱり
光を離したくないと強く思った。
だって今、光は僕じゃない人を
おもいだしてるんだって何となく分かってしまったから。