kuro
そんなの、やだ。
光が僕を前に向かせてくれたのに。
光はまだ後ろをみているの?
「光。」
びくっと動く肩に、
手を乗せて目線を合わせる。
「僕は、光とサヨナラする気が
ないんだ。
離してっていっても、
僕は話してあげられないかも、
しれないくらい。
光に傍にいてほしくて、
いてほしくて、たまらないんだ。
きっとこれからも、
それは変わらないって、
今思うから、
だから今、光をここに置いておきたいんだよ。
僕も、光がサヨナラを
告げていなくなってしまったらなんて
考えただけで怖いけど。
だからこそ
近くに光を感じてたい。
やだ?」
下を向いてしまった光。
暫しの沈黙。
のちに溜め息。
溜め息?!
ダメだったのだろうか.....。
不安になるも、下を向いていた光が顔をあげた。
その瞬間。
あまりに優しい表情をしてたから、
これは成功したって
胸が高鳴った。