檻の中
七福神に連れられ、わたしは手術室から新しい自分の住み処となる部屋に移動した。
そこは、シンプルながらもホテルの一室のような清潔感のある部屋だった。
柔らかそうなベッドに、女の子なら喜ぶ可愛らしいドレッサー。
本棚には様々な本が並び、少女向けの小説も目に入った。
あ、最新号だ……。
愛読しているファッション誌を見つけ、少し嬉しくなった。
こんな状況なのに、わたしったら……。
「狭くて申し訳ないが、自由に使ってくれて構わないよ。そうだ、お腹は空いてないかね? 好きなものを頼みなさい」
七福神が椅子に腰をかけながら、メニューを渡してくる。
ハンバーグにステーキ、パスタ、オムライス……ケーキやパフェまである。
わたしはメニューを見ながら、お腹が鳴るのを感じた。
「えっと、いいんですか?」
「もちろん。このリモコンで注文すると、十分以内に運ばれてくる」
言われるままに、食べたいものの番号を打ち込む。
しばらく待っていると、インターホンが鳴って黒服の男が部屋に入ってきた。
注文したシーフードドリアを前に、わたしは唾を飲み込んだ。
「遠慮せずに食べなさい。私のことは気にしないで」
「……じゃあ、いただきます」
手を合わせて、熱々のドリアを冷ましながら食べた。
七福神の視線が少し気になるが、とりあえず今は食事に集中しよう。