ma cherie *マシェリ*
この反応はいったいなんなんだ……。

まるで二人だけにはわかるシグナルのようなものが交差しているような気がした。

少なくとも二人はそれなりに親しい関係であることは間違いないようだ。



「なぁ? やっぱ怪しいやろ?」


背後からポンと望月に肩を叩かれた。


「だからって……。合コンとどんな関係があんだよ?」


オレはふてくされるように呟いた。

もうイライラはピークに達している。

次の望月の返答次第では、ヤツに蹴りの一発でもお見舞いしてやりたい気分だった。



「いや、だからさ。オレが思うに……サキちゃんも実はマヒロ君に惚れてるんちゃうかなって」


「はぁ?」


思わぬセリフにオレは思わず振り返った。


「ユミコさんも言っててんけどな。あの子、ありえへんぐらい鈍感やん? サキちゃんは自分の気持ちに気づいてないだけちゃうかって」


まぁ……たしかにサキは自分の気持ちにすらなかなか気づかないんじゃないかってぐらい鈍感だ。

もしも望月が言っていることが本当なら……嬉しいけど。


「だから、もう一押しやねん。マヒロ君が合コン行くなんて聞いたら、サキちゃん、絶対ヤキモチ妬くって」


望月は確信に満ちたキラキラとした眼差しでオレに訴えかけてくる。

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