ma cherie *マシェリ*
もうパニックになったオレは、とりあえず女の腕をひっぱる。
そして側にあった女子トイレのドアを開けると、そこにぐいぐいと彼女の体を押し込んだ。
あれ……?
前にもこんなことがあったような……?
デジャブ?
なんて、今は物思いにふけってる場合じゃないだろオレ!
まさに間一髪。
そんな感じで彼女をトイレに隠せた瞬間、サキが事務所から出てきた。
「マヒロさん? なんで入ってこないんですか? どうかしました?」
「はぁ? べっ、べつに。なんもねぇって!」
うわぁ。
あきらかにキョドってるし。
「ほんとですか? なんか顔色悪くないですか?」
「悪くない悪くない。いたって健康」
オレはニカって感じで笑顔を作った。
相変わらずこめかみはぴくぴくとひきつっていたけど。
「ふーん。なんか怪しいなぁ……」
サキはオレの背後にある女子トイレのドアを、目を細めてじっと見つめている。
「何か隠してるでしょ? あたしに後ろめたいことでもあるんじゃないですか?」
なっ……何なんだっ。
いつもは鈍感なくせに!
なんでこんな時だけ妙に鋭いんだ。
これが女の勘ってヤツなのか?
さらに一歩オレに近づくと、顔を寄せてきた。
そして、まるで犬みたいに鼻をくんくんと鳴らす。
「やっぱり……」
やっぱりってナニが――――?!
そして側にあった女子トイレのドアを開けると、そこにぐいぐいと彼女の体を押し込んだ。
あれ……?
前にもこんなことがあったような……?
デジャブ?
なんて、今は物思いにふけってる場合じゃないだろオレ!
まさに間一髪。
そんな感じで彼女をトイレに隠せた瞬間、サキが事務所から出てきた。
「マヒロさん? なんで入ってこないんですか? どうかしました?」
「はぁ? べっ、べつに。なんもねぇって!」
うわぁ。
あきらかにキョドってるし。
「ほんとですか? なんか顔色悪くないですか?」
「悪くない悪くない。いたって健康」
オレはニカって感じで笑顔を作った。
相変わらずこめかみはぴくぴくとひきつっていたけど。
「ふーん。なんか怪しいなぁ……」
サキはオレの背後にある女子トイレのドアを、目を細めてじっと見つめている。
「何か隠してるでしょ? あたしに後ろめたいことでもあるんじゃないですか?」
なっ……何なんだっ。
いつもは鈍感なくせに!
なんでこんな時だけ妙に鋭いんだ。
これが女の勘ってヤツなのか?
さらに一歩オレに近づくと、顔を寄せてきた。
そして、まるで犬みたいに鼻をくんくんと鳴らす。
「やっぱり……」
やっぱりってナニが――――?!