ma cherie *マシェリ*
「へ?」


スッと立ち上がったオレを望月が目を丸くして見てる。


そんな望月を無視してオレは歩き始める。


「ちょ……ちょっと、何で? ここまで来て確かめへんの?」


望月は慌ててオレの後を追いかけてきた。

そして挑発するような口調で言う。


「そんなに怖いんか? サキちゃんが他の男とつきあってんの知るのが」


その言葉にオレの動きは止まった。

ため息を吐き……そして振り返る。


「ちげーよ。こういうやり方が嫌だっつってんの。陰でコソコソすんのは性に合わねぇの。明日……ちゃんとするよ」


「えっ……それって……」


驚いている望月にオレはニヤリと笑った。


「いい加減、ちゃんとキメてやるよ」
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