ma cherie *マシェリ*
「ルームメイトです」


「はい?」


思わず聞き返す。


「ルームメイトです」


いやいや、2回言うとかそういう問題じゃなくてさ。

る……ルームメイトぉおおおおお?


「は? ……男? え? ルームメイトって男?」


「えっ。はい。そうですよ? あ……あれ? 言ってませんでしたっけ?」


全く悪びれる様子もないサキ。


「聞いてねぇ……」


オレはポツリとつぶやいた。


なんなんだこのむかつきは。

今オレの背後からは怒りのオーラが出まくってんじゃねぇのか。

純情キャラだったんじゃないのかよ?

なんてことはない……。

男と住んでたんだ。


「オレはてっきり女友達と住んでるんだとばかり思ってたよ。だって前にアイちゃんとか言う子と住んでるって言ってたろ?」


「はい」


サキは相変わらずにこにこ笑ってる。


「だから、アイちゃんですよ?」


「へ?」


そこで王子が小首を傾げてニッコリ微笑だ。


「小林藍一郎(コバヤシ・アイイチロウ)です。よろしく」


「アイイチロウ……」




――で、アイちゃん?


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