ma cherie *マシェリ*
というわけで、無事カレカノになった、オレとサキ。

オレはさっきからちょっとした期待感でワクワクしている。

今日、6月13日(ちなみに金曜日ですけど、何か?)はオレの誕生日だったりするのだ。


サキが出勤時に“Sputnik”の紙袋を持っていたのは確認済みだ。

あれはきっとオレのためのものなんだろう。

リアナからオレの誕生日を聞いていたのかもしれない。

あの日、サキが“Sputnik”に買い物に行ったのは、オレへのプレゼントを買うためだったんだろう。


仕事を終えた後、サキに「見てもらいたいものがある」と事務所に呼ばれた。

今オレ達はソファに腰掛けて話している。

サキは例の“Sputnik”の紙袋を手にしている。

「あの……マヒロさんに……これ……」


そう言いながら、袋の中身を取り出す。


「これ、どうですか?」


透明のビニールに包まれてリボンがかけてあった。

それはオフホワイトのポロシャツ。

襟のところだけ細かなグレンチェックの模様になってる。


「ああ……うん。好きだよ」


ちょっと地味かな……て思ったけど……。


ありがと……そう思って手を伸ばそうとしたその時、サキはさっとポロシャツを袋にしまった。


「え?」


「良かったぁ……男の人の趣味ってよくわからなくって……」


「は?」

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