ma cherie *マシェリ*
――――……
―――――――――



「んぐっ……」


ヘンな声を漏らして、ユマが手で口を覆った。

いかにも吹き出しそうなのを我慢しているような感じ。


だけど耐え切れなかったのか、ついにお腹を抱えて、爆笑しだした。



「ぶははははは」

「ちょ……。笑いすぎ!」


あたしはムッとしてピーチソーダをチューっとすすった。



ユマが聞きたがったから話したのに。


バカにしてぇ。




「ごめん、ごめん。あまりにもサキらしくて」


まだヒィヒィ言いながら、ユマは涙をぬぐう。

だから笑いすぎだってば。



「で、その後どうしたの?」


「……逃げた」


「は?」


「マヒロさんちから逃げ帰った」

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