ma cherie *マシェリ*


「やっぱり?」



――あ、ダメだ。

なんか落ち込んできた。


ズンっ。

プラス10キロ。

さらに重くのしかかる。

後悔とか罪悪感みたいな、色んなものが。



「はぁ……これで嫌われちゃったらどうしよう。
ひょっとして、別れよう……とか言われたら……」



ああ、どんどん落ちていく。

なんか泣きそうになってきた。



「そう思うなら、電話してみれば?」


あたしはつっぷしたまま答える。


「それが……携帯忘れたの」


「え?」


「持ってくるの、忘れた……。アパートにおきっぱ」


「バカ?」


ユマの心底呆れたような声がむなしく響く。



ええ、ええ。

あたしはホントバカですよ。


でもバカなりに、色々思うところはあるわけです。



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