ma cherie *マシェリ*
「なんかさ……。自信がないの」
ポツンと呟くと、ユマは「ん?」と反応してくれた。
「マヒロさんて、あたしと違って、経験豊富……っていうか、たくさんの女の人とつきあってたみたいなんだよね」
「うん」
「そんな人が、なんであたしのこと好きになってくれたのかもよくわかんないし……」
「ふんふん……」
「中にはすっごいキレイな人とか、あたしなんかよりスタイルが良い人もたくさんいたと思うんだぁ……。
だから、マヒロさんがあたしの全部を知った時、どう思うのか……それが怖いの。
すぐに飽きられちゃうんじゃないか……とか、つまらない……みたいに思われたらどうしよう……とか……そんな不安でいっぱいなんだ……」
あ……ダメだ。
本格的に涙がにじんできた。
「そっか、そっか。サキは、ほんとうに恋してるんだね……」
ポンポンとあたしの頭を優しく撫でてくれたユマは、何かに気づいて
「あ……」
と声を上げた。