ma cherie *マシェリ*
髪を結って、浴衣を着付けてもらって……
準備が整ったあたしは、マヒロさんのいる居間に向かう。
だけど、その足が止まった。
居間からは、お父さんの声がしたから。
まさかと思って、そっと覗きこむと、お父さんとマヒロさんが縁側に座っていた。
うそ……。
これってマズくない?
また何か失礼なこと言っちゃうんじゃないかと、足を一歩踏み出したその時、
「さっきは、すまなかった……」
思いもしなかった言葉がお父さんの口から出て、あたしは足を止めた。