ma cherie *マシェリ*
驚いたような顔をするマヒロさん。
お父さんは目を細めて優しい表情で言う。
「今度来る時は、地酒でも用意しておくから。
一緒に飲もう」
「ははっ。
オレ、本気出したらかなり強いっすよ?」
「そうか。じゃ、たくさん用意しておくよ」
二人の会話になぜか涙がこみ上げてきた。
お父さんがマヒロさんを認めてくれた。
ほら……
やっぱりマヒロさんは、人との壁をなんでもないことのように乗り越えちゃうね。
すっと肩を抱かれて、
振り返ると、いつのまにいたのか、お母さんが微笑んでくれた。