ma cherie *マシェリ*

「ごめんね……心配かけて」


マヒロさんの胸から顔を上げて言う。


じっとあたしを見つめるマヒロさん。


顔を傾けて、チュって軽くキス。


すぐにまた顔を胸に埋めさせられた。



「あー。もぉ、オレ、なんでこんなにお前には甘いんだろ。ホントはこんなキャラじゃねーのに」


照れてるのかな。

やたらと口数が多い。


あたしは胸の中でクスクス笑う。


「マヒロさんは優しいよ。あたし知ってるもん」


わざとからかうように言うと、ぶっきらぼうな返事が返ってきた。


「アホ。お前にだけだよ、こんなの……」



マヒロさん気づいてる？

さっきから女の子が喜ぶような甘い言葉ばっかり言ってるんだよ？


そう思ったけど。

それは言わないでいた。


きっとこれ以上マヒロさんが照れたら、また心臓が大変なことになりそうだから。


……なんてね。