ma cherie *マシェリ*
・ミルキーウェイ
「ねぇ。マヒロさん。もう少しドライブしない?」
このまま帰ってしまうのがもったいなくて、
あたしはある場所へ行くことを提案した。
車で40分ほど。
市街地を抜けて、山道を登っていく。
やがて民家もなくなり、外灯一つない真っ暗な道を進む。
「あ、ここで停めて!」
「ここ? なんもねーじゃん」
「うん、いいの。ここで」
マヒロさんは車を停めてエンジンを切った。
「マヒロさん。目、つぶってて?」
先に車を降りたあたしは運転席に回る。
マヒロさんの手を引いて車から降りてもらう。
「足元、気をつけてね」
「おお」
舗装もされていない、砂利と土の上。
懐中電灯で足元を照らしながら歩く。
やがてマヒロさんが気づいた。