ma cherie *マシェリ*
「オレは日本って、すげー技術もった職人がたくさんいるって思ってる。
やっぱさ、日本は物作ってなんぼなんだよ」
「じゃー、マヒロさんも職人さんになりたいの?」
そういえば、マヒロさんのお父さんも金属加工の職人だ……って、さっきお父さんと話してた時に言ってたもんね。
「うん。それもいーけど。オレはちょっと違うかな。
今は最新の技術と知識を学びたいって思ってる。そしてそれを職人の経験や技と融合させたいって思うんだ。
きっとどっちか片方だけでもダメなんだよ。両方がそろって初めて物づくりって成り立つんだと思う。
最近は大学の研究室と町工場の共同開発なんてよくあるしな」
「そうなんだ……」
「うん。だから、別に宇宙だけにこだわってるわけじゃない。とにかくオレはオレで今はどんどん知識を吸収したいって思ってる。けど、夢はでっかく持ってたいじゃん。だから最終的には宇宙! ってわけ」
「そっか。なんかすごいね」
「すごかねーよ。サキだってすげー技術もってるじゃん」
なんて褒められて、ちょっと照れる。
「あたしは、まだまだだけど……」
空を見上げた。