ma cherie *マシェリ*


「サキ……」


熱い息が顔にかかって、マヒロさんの視線に気づく。



「なぁ、言って?」



じっと見つめられて。



マヒロさんが何を聞きたがってるのか

あたしにはちゃんとわかった。



だってあたしも聞きたい言葉だったから。



「好き……」



「もっと……言えよ」


「好き……好き……」


「うん」


「好き」


もう一人では立ってらんなくなって、マヒロさんの体にしがみついた。



「よくできました」


ニッと笑うと、マヒロさんはまた唇にキスをする。


さっきとは違って、今度は深く……深く。

< 264 / 278 >

この作品をシェア

pagetop