ma cherie *マシェリ*
マヒロさんは大声で叫んだ。
眉間には深い皺が寄っている。
あたしはそんなマヒロさんを涙目のままキッと睨んだ。
「いらないなら、いらないって言ってくれたらいいじゃないですか! コートのフードの中にこっそり入れるなんて悪質ですよ! まるで嫁いびりする姑みたい! そんな遠まわしな返品しなくったって……いらないなら普通に返してくれたらいいじゃないですか! 迷惑だったんならそう言ってくれたら良かったんですよっ!」
はぁ……はぁ…はぁ…
いっきにまくしたてたあたしの息はあがっていた。
「ちょ……ちょっと待って……」
「何がどうなって、なんでこうなるんだよ……」マヒロさんは俯いて眉間を押さえながらブツブツと呟いている。
しばらくそうやっていたマヒロさんは、パッと顔を上げた。
そしてコホンッと小さく咳払い。
「あの……落ち着いて?」
「ぐす……」
あたしは鼻をすする。
「勘違いしてない? オレ返品したわけじゃないよ?」
「じゃ……何なんですか?……」
「それはつまり……えーと……」
マヒロさんはあたしから目をそらしてテーブルに片肘ついて「すげぇ……なんで、わかんねぇかな……犯罪的に天然だよな……」とまたブツブツ呟いている。
「なんなんですかぁああああ?」
もうわけがわかんないのは、こっちだよ。
はっきり言ってくれたらいいのに!
眉間には深い皺が寄っている。
あたしはそんなマヒロさんを涙目のままキッと睨んだ。
「いらないなら、いらないって言ってくれたらいいじゃないですか! コートのフードの中にこっそり入れるなんて悪質ですよ! まるで嫁いびりする姑みたい! そんな遠まわしな返品しなくったって……いらないなら普通に返してくれたらいいじゃないですか! 迷惑だったんならそう言ってくれたら良かったんですよっ!」
はぁ……はぁ…はぁ…
いっきにまくしたてたあたしの息はあがっていた。
「ちょ……ちょっと待って……」
「何がどうなって、なんでこうなるんだよ……」マヒロさんは俯いて眉間を押さえながらブツブツと呟いている。
しばらくそうやっていたマヒロさんは、パッと顔を上げた。
そしてコホンッと小さく咳払い。
「あの……落ち着いて?」
「ぐす……」
あたしは鼻をすする。
「勘違いしてない? オレ返品したわけじゃないよ?」
「じゃ……何なんですか?……」
「それはつまり……えーと……」
マヒロさんはあたしから目をそらしてテーブルに片肘ついて「すげぇ……なんで、わかんねぇかな……犯罪的に天然だよな……」とまたブツブツ呟いている。
「なんなんですかぁああああ?」
もうわけがわかんないのは、こっちだよ。
はっきり言ってくれたらいいのに!