ma cherie *マシェリ*
あたしはコーヒーカップを二つ抱えて休憩用のソファに座った。
その一つを隣にいるユミコさんの前に置く。
「どうぞ」
「あ。ありがとう」
事務所には、店長や社員が使う事務デスクがあって、それとは別に休憩用にソファとテーブルが用意されている。
さらにその奥が従業員用のロッカールーム兼、男女別の更衣室になっている。
「ほんまやって!」
「お前、バカだろっ!」
その更衣室の方から相変わらず楽しそうに会話するマヒロさんと望月君の声が響いている。
更衣室はアコーディオンカーテンで仕切られているだけなので、こちらまで中の会話が筒抜けなのだ。
あたしはマグカップを両手に抱えて口元に近づけた。
猫舌なのですぐには飲めない。
フーフーと息を吹きかけながら少しずつ唇を寄せていると……
「ふぁあああああ」
おそらくマヒロさんのものだと思われる欠伸が聞こえてきた。
「あれ? 寝不足なん?」
今度は望月君の声。
「あ~。ひょっとして、昨日バレンタインやったし~。女と過ごしてた?」
「うん、まぁ……女っちゃあ、女かな」
「ブッ……きゃぁ…あつっ」
口をつけかけたコーヒーを思わず吹いてしまった。
「大丈夫?」
ユミコさんが側にあったティッシュケースを差し出してくれた。
「あ……はい。大丈夫です。すみません……」
その一つを隣にいるユミコさんの前に置く。
「どうぞ」
「あ。ありがとう」
事務所には、店長や社員が使う事務デスクがあって、それとは別に休憩用にソファとテーブルが用意されている。
さらにその奥が従業員用のロッカールーム兼、男女別の更衣室になっている。
「ほんまやって!」
「お前、バカだろっ!」
その更衣室の方から相変わらず楽しそうに会話するマヒロさんと望月君の声が響いている。
更衣室はアコーディオンカーテンで仕切られているだけなので、こちらまで中の会話が筒抜けなのだ。
あたしはマグカップを両手に抱えて口元に近づけた。
猫舌なのですぐには飲めない。
フーフーと息を吹きかけながら少しずつ唇を寄せていると……
「ふぁあああああ」
おそらくマヒロさんのものだと思われる欠伸が聞こえてきた。
「あれ? 寝不足なん?」
今度は望月君の声。
「あ~。ひょっとして、昨日バレンタインやったし~。女と過ごしてた?」
「うん、まぁ……女っちゃあ、女かな」
「ブッ……きゃぁ…あつっ」
口をつけかけたコーヒーを思わず吹いてしまった。
「大丈夫?」
ユミコさんが側にあったティッシュケースを差し出してくれた。
「あ……はい。大丈夫です。すみません……」