ma cherie *マシェリ*
雪を見つけてすぐに降り立った駅は名前も聞いたことのない小さな駅だった。
道路の雪はすでにタイヤに踏み潰されて溶けかけていたけど、線路脇にはかなり広い範囲で雪が積もっていた。
まだ誰も足を踏み入れていないそこはまるで真っ白なフカフカの絨毯を敷き詰めているようだった。
駅員さんに尋ねてみると、春になれば蓮華の花が咲き誇る蓮華畑になるらしい。
「せーの!」
あたし達は手を繋いで一緒に雪にダイブした。
「すげー! 雪、一番のり! オレこういうのしたかったんだよなぁ。サキ、足跡つけようぜ」
マヒロさんはあたしの手を取って歩き出す。
二人でギシギシと音を鳴らして、雪を踏みしめながら歩く。
真っ白な雪を朝日が照らしてキラキラと輝いている。
あまりにもきれいで眩しくて……あたしは思わず目を細めた。
ふと振り返ると、あたし達の後ろには、二人でつけた足跡が平行線になって描かれていた。
あたしとマヒロさんの足跡。
足の大きさや歩幅が全然違うから、どっちの足跡かきっとすぐにわかるね。
「マヒロさん、この雪二人じめですよ」
「だな」
マヒロさんはニカっと笑うと、急にしゃがみこんだ。
そして手で雪をかき集めると、いきなりあたしに向かって投げた。
「雪がっせーん♪」
道路の雪はすでにタイヤに踏み潰されて溶けかけていたけど、線路脇にはかなり広い範囲で雪が積もっていた。
まだ誰も足を踏み入れていないそこはまるで真っ白なフカフカの絨毯を敷き詰めているようだった。
駅員さんに尋ねてみると、春になれば蓮華の花が咲き誇る蓮華畑になるらしい。
「せーの!」
あたし達は手を繋いで一緒に雪にダイブした。
「すげー! 雪、一番のり! オレこういうのしたかったんだよなぁ。サキ、足跡つけようぜ」
マヒロさんはあたしの手を取って歩き出す。
二人でギシギシと音を鳴らして、雪を踏みしめながら歩く。
真っ白な雪を朝日が照らしてキラキラと輝いている。
あまりにもきれいで眩しくて……あたしは思わず目を細めた。
ふと振り返ると、あたし達の後ろには、二人でつけた足跡が平行線になって描かれていた。
あたしとマヒロさんの足跡。
足の大きさや歩幅が全然違うから、どっちの足跡かきっとすぐにわかるね。
「マヒロさん、この雪二人じめですよ」
「だな」
マヒロさんはニカっと笑うと、急にしゃがみこんだ。
そして手で雪をかき集めると、いきなりあたしに向かって投げた。
「雪がっせーん♪」