一番星 -惑星ショコラをもう一粒-
なにするともなく、家にしちゃったけど……なにをしよう。
さっき幸せだと思ったにもかかわらず、せっかくのバレンタインなんだからお出かけした方がよかった気がしてきた。
「あ、そうだチョコレート!」
勉強机のそばに置いてあった紙袋を手に取った。
「先輩、はいどーぞ!」
ジャーンと掲げたチョコレートを笑顔で渡す。
去年と違って今年は既製品。
だけど、絶対に喜んでもらえる自信があるんだ。
「…………………………………………え、手作りじゃないの」
「はい、そうですよ?」
「そっか……」
なんだ、と言った先輩。
表情がガッカリと物語っている。
……なに、それ。
なんでそんな反応なの。