監視恋愛
僕は彼女を監視する

きっかけは些細な出来事だった。


コンビニへと立ち寄り税込98円の猫缶が入ったビニール袋をぶら下げ、公園に立ち寄る。


「クロロ、おいで。」


僕が名前を呼ぶと捨てられた黒猫が茂みから顔を出した。


「ほら、ご飯だぞ。」


学校帰りにこの捨て猫にご飯をあげる事が僕の日課。


「キモ!あいつネコしか友達いねーのかよ!ギャハハッ!」


公園脇の道路から下品な女子高生集団の笑い声が突き刺さった。


眼鏡を掛けているだけなのに周りの女子からキモヲタというレッテルを貼られた僕は、気付けばこうして孤立した存在になっていた。


僕の友達はクロロだけ。


高校生活だというのに僕は女子とまともに口を聞いた事がなかった。


そう、
この日までは。

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