監視恋愛
そして
約束の日、金曜日。
放課後クロロに餌をあげていた公園に向かうと、ベンチに美咲さんが座っていた。
「す、すみません!お待たせしました…!」
「ううん、私も今来たところ!…行こっか!」
い、いよいよ美咲さんの家だ。
意識し過ぎたのか、肩に力が入る。
「私の家ね、公園のすぐ近くなんだよー。一人暮らしだけど、交番が近い方が安心だと思って。」
交番の単語に内心ドキッとしたが、悟られないように目を伏せた。
「でも1番の決め手はコンビニが近い事かなー。」
僕がクロロの猫缶を買っていたコンビニの事かな。
「ぼ、僕もコンビニには毎日行きますよ。」
「えー!毎日ー?それは話盛ってるでしょー?」
笑いながら小首を傾げる美咲さん。
仕草が一々可愛い。
そんな美咲さんに見惚れているうちに、三階建ての団地へと到着した。