監視恋愛
案内された場所は一階の角部屋だった。
「狭いけど、どうぞ。」
「お、お邪魔します…」
木製の家具、小物は白で統一されたシンプルな1DK。
マイナスイオンが漂っていそうな清潔感溢れる部屋だ。
部屋の中央にあるテーブルまで案内された時、観葉植物の影から覗き込むクロロの存在に気付いた。
「おー、久しぶり。元気か?」
警戒しながらも近付いてきたクロロは、胡座を掻いていた僕の膝上に乗りすぐにゴロゴロと喉を鳴らして甘え始めた。
「クロロ、良かったね。とっても嬉しそうにしてる。うちにきてから初めてだよ。」
美咲さんは安堵の表情を見せ、優しく微笑んだ。
「た、多分突然環境が変わったから、ビックリしたんだと思います。捨て猫には結構よくある事みたいで…。」
そうネットの記事に書いてあっただけなんだけど。