監視恋愛
水色パンツの美咲さんと公園の前で別れた僕は、寄り道する事なく急いで帰宅した。
ダッシュで階段を駆け上がりパソコンの電源を入れ画面を確認する。
カチッ、カチッ。
マウス音を響かせ画面を開く。
きた!
きた!きた!きた!
先程まで楽しく猫トークを繰り広げていた薄暗い美咲さんの部屋の映像。
間違いなく盗撮した映像が転送されていた。
〝ニャーン〟
留守番中のクロロの鳴き声。
音声も問題無さそうだ。
風呂にも入らず、自室で夕食を済ませた僕はモニターの前に齧りついて美咲さんの帰宅を待った。
〝ただいまー〟
数時間程ネットサーフィンしていると、扉の開閉音と美咲さんの声が聞こえてスピーカーからヘッドホン端子に急いで切り替えた。
この時僕は画面に映る美咲さんに釘付けになりながらも、不思議と後ろめたさや罪深い気持ちはなかった。
今日からの新しい日課、それは。
【僕は彼女を監視する。】