監視恋愛
鳴り響くインターフォン。
女子会ハーレム状態を期待してしまった僕が馬鹿だった。
〝もう。着いたら電話してって言ったじゃない!〟
〝別にいいだろ?お前んち1人暮らしなんだし。つーか風呂上がりだなんて準備万端じゃーん〟
そう言って部屋に上がり込むなり美咲さんを抱き締めた彼氏らしき男の風貌は、明らかに夜の住人を漂わせていた。
キスを交わす2人に息が詰まりそうになる。
あの容姿で彼氏が居ない方がおかしい。
そんな事、最初から分かりきっていた筈なのに。
なんで。なんで傷付いてんだ。
〝ん….ちょっ、待って。この前もしたばかりでしょ…?今日は私…〟
〝は?何のためにわざわざ来たと思ってんだよ〟
落ち込んでいる僕を他所に痴話喧嘩が始まる。
〝今日はバイトがあったから疲れてるの!だから…〟
〝ゴチャゴチャうるせーんだよ!いいからヤラセろって〟
そう言って男は美咲さんを床に押さえ付け唇を塞いだ。
カメラを仕掛けてまだ初日だと言うのに、こんな過激なシーンが流れてくるなんて思いもしなかった。