監視恋愛
〝恥ずかしがらないでいいんだ。俺たち両想いじゃないか〟
なんだよ。
やっぱり両想いだったのかよ。
落胆する僕。
キスを迫る家庭教師。
〝愛してる〟
甘い囁きの直後に頬を思い切り平手打ちする美咲さん。
これには僕も驚いてうろたえてしまった。
〝両想いなんかじゃない!触らないで!〟
声を張り上げる美咲さん。
威勢はいいけど、後退しながら身体を小刻みに震えさせ酷く怯えた様子だ。
〝毎日嫌がらせのメールしたり、バイト帰りにつけてきたのは先生だったの…?〟
〝そうだよ、美咲。あんな男とは別れて早く俺のところにおいで?〟
あっさりと認めた挙句に名前まで呼び捨てにした変態家庭教師。
こいつは紛れもなくストーカーで、美咲さんはその被害者。
ん?待てよ。
だとすればこの状況って結構ヤバイんじゃないのか?
事態を把握した僕は緊張感で表情が強張った。