監視恋愛

「誤解しないで。別に怒ってるわけじゃないから。」


あからさまに萎縮する僕を見兼ねたんだろうか。
優しくしなくたっていいのに。


「悪趣味だなって思ったけど…監視のお陰でストーカーから私を助けてくれたのは…嬉しかったから。」


そんなの…結果論だ。


あの勅使河原というストーカーが存在しなかったら僕がストーカーと化していたかも知れないというのに。


俯いたままの僕に美咲さんは更に続けた。


「もうこんな事しないで。」


「…はい。」


気のせいか、美咲さんの声が震えているような気がしたけれど怖くて顔が見れない。


「…こんな画面越しなんかじゃなく、すぐ側で私の事見守ってよ…」


「…えっ。」


驚いて顔を上げた。


この日初めて美咲さんと視線を合わせる事が出来た僕は漸く気付く事が出来たんだ。


頬をほんのり赤らめて、少し涙目になっている美咲さんの存在に。


「私っ、陽太君が好き…」
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