監視恋愛
聞き間違えたかと何度も耳を疑ってみたけれど聞き間違えてなんかいなかった。
だって、その証拠にみ、美咲さんが、ぼ、僕にだ、抱きついている。
言わなくちゃ。
僕も、伝えなくちゃ。
「ぼっ、僕もみ、美咲さんが好きです。初めて会った時から、ずっと。」
…い、言えた。
「だけど、僕にとって美咲さんはた、高嶺の花で…と、盗撮して美咲さんを知ろうとした…最低な男です。」
「…うん。」
緊張感漂う場面で美咲さんは否定せず、微かに笑いながら上目遣いで僕を見つめてきた。
「…こ、こんな、最低な男でもいいんですか?」
「…いいよ。だって好きになっちゃったんだもん。」
ほんのり頬を染めて僕の眼鏡をそっと外すと背伸びついでに短いキスをした。
「美咲さん…」
それは、
今まで感じた事のない幸福感だった。
逃したくなくて、離したくなくて目の前にいる美咲さんを強く強く抱きしめた。