監視恋愛

こうして、
奇妙にも結ばれた僕の初恋。


あんな美人が僕の彼女だなんて、正直まだ信じられない。


だけど信じられない事はまだまだこれだけじゃなかった。


交際を始めてから間もなくして、僕は税込98円の猫缶を持って彼女の家に向かうのが日課になる。


「いらっしゃーい。あ、やっぱコンタクトにした方がカッコイイ!」


インターフォンを押すと美咲さんとクロロがお出迎え。


「いや…カッコイイは言い過ぎ、ってか、恥ずかしいん、ですけど…」


相変わらず歯切れの悪い僕。
そんな僕を見て楽しそう笑う美咲さん。


この上なく幸せだった。


今が人生最大のピークと言っても過言じゃない。


「陽太君、眼鏡外してからクラスでどう?」


「どうって…?」


「前みたいに笑われたり、使いっ走りにされたりしてない?」


言われてみれば最近キモオタって呼ばれなくなった気がする。


代わりに女子達には遠目でジロジロ見られるようにはなったけど。


…って、ん?


美咲さんはなんで僕がクラスで馬鹿にされたりパシリにされた事を知っているんだ…?
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