監視恋愛
そして、
転機は突然訪れた。
踏み台から飛び降りた彼女は突然深刻そうな表情を浮かべた。
「あ、そうだ。クロロの事なんだけど…」
俯いた視線。
彼女の長い睫毛が揺れた。
「クロロ、家に来てから元気がないの…」
「元気がない?」
「うん。食欲はあるし病気じゃないと思うんだけど…もしかしたら、君に会えなくて寂しいんじゃないかなって思って。」
猫って薄情なイメージがあったけど、違ったのか。
「ぼ、僕もクロロの様子がちょうど気になってたんだ。」
それよりも、気になるのは貴方の事ですけど!
「本当ー?じゃ、金曜日の放課後に家に来てくれないかな?」
願ってもない、彼女からのお誘い。
「わ、分かりました。」
確信した。
やっぱり俺は今日で1番ツイてる男だ。