監視恋愛

自宅に帰り自室の椅子に腰を下ろす。


「遅くなっちゃったけど私、松原美咲。よろしく!」


「は、早瀬陽太です…よ、よろしくお願いします。」


「金曜日の放課後、あの公園で待ち合わせね?」


放課後、公園で待ち合わせ。
なんてくすぐったい響きなんだ。


美咲さんとの一連のやり取りを思い出しニヤける表情が隠せない。


テンションが上がった僕は回転椅子で一頻り回った後、パソコンの電源を入れて早々と猫の病気に纏わる症状などをした調べする事にした。


暫くキーボードを打ち込んでいると、有頂天モードに突入していたテンションは落ち着きを取り戻し、冷静な頭で現実を見据えた。


落ち着け。猫を見に行くだけなのに、なにを期待してるんだ?
あんな美人が僕みたいなキモヲタを相手にするわけがないだろ。


「…はぁ。」

男としても人間としても強烈な情けなさを感じ、深い溜息を吐いた。

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