あたしと寮と狼先輩。
「緊張、してますか?」
前を歩いていたはずの生徒会の方は、いつの間にかあたしの隣に並んでいた。
近くで見るとほんと、綺麗な顔だなあ…
『ちょ、ちょっと…?』
突然の質問にびっくりして、変な感じで返してしまった。
「なんで疑問系なんですか」
クスッと笑った生徒会の方の周りは、桜にも負けないくらいたくさんの華が咲いていて。
「あ…自己紹介遅れちゃいましたね。
俺の名前は安斎優斗、3年だよ。名札の通り、生徒会役員をやってます。」
2つも上の先輩だったのか…。
安斎先輩のおかげで、さっきまで感じていた不安がなくなったことに気がついた。