あたしと寮と狼先輩。
《本日から寮を使用する生徒は退場せずステージの方へ来てください》
あ、これってあたし行かなきゃだめだよね。
その前に藤堂くん起こさなきゃ…
寝ている藤堂くんの肩を叩くが、目を覚ましそうもない。
『ちょ、藤堂くん起きて!入学式終わっちゃったよ?』
もう一度肩を叩いてみると、んぅ…と眠そうに目を開けてくれた。
「あー…悪りいな…」
ゆっくり立ち上がった藤堂くんは、その場を動こうとしない。
あれ、教室戻らないのかな?
「おい、教室行かねえの?」
あたしのことをみてそう言った藤堂くん。
…もしかして、一緒に教室戻ろうとしてくれてるのかな?