あたしと寮と狼先輩。
『え、あ、あたし!今日から寮使うからステージの方呼ばれてるんだ!だから藤堂くん先戻ってて、ください。』
身振り手振りを加えながら話してしまうのがあたしの癖で。
それが焦ってるように見えたのか、プッと笑っている藤堂くん。
「そうなのか。つーかそれなら俺もそっち行かねえと」
俺、″も″?
俺もってことは…
『藤堂くんも寮なの?』
驚いて少し声が大きくなってしまう。
あたしの問いかけに、まあな。と小さく返事をした。
『そっか…!じゃあ一緒にステージ行こう!』
あたしが歩き出すのその横を並んで歩いてくれる藤堂くん。
周りの視線が少し気になるけど…
まあこんなに目立ってる新入生は、この人くらいしかいないだろう。