あたしと寮と狼先輩。





「誰だこいつ」



「可愛い子が来てくれたみたいだね」



「…………………」




一人一人の反応は全く違うもので。

だけどおかげでこの人たちの雰囲気は掴めた気がする。


プリン取られて怒ってたのがちょっといかつめなお兄さんで。

プリンを取ったのがちょっとチャラめなお兄さんで。

本を読んでたのはそのまんま、クールなお兄さんで。




「こいつ、今日から一番奥の部屋で生活するから。面倒見てやれよー」



先生の言葉と同時にぺこりとお辞儀をして、自分の部屋に入った。






『ふう〜………』


荷物を置いて、やっとひと息付けた気がする。



それよりも………

部屋の中には段ボールの山が。


まずはこれをどうにかしないとなあ。








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