あたしと寮と狼先輩。
『あ、えっと…あたしは宮間凛って言います。クラスは1Cになりました、今日からお世話になりますっ』
自己紹介をして、お辞儀をする。
普通のことなんだけど、この人たちに見られてるとなんだか緊張してしまう。
「そんな気張らないでいいよ?
それで、さ。凛ちゃんは彼氏とかいる?」
『…………へ?』
楓先輩の質問に、思わず変な声が漏れてしまった。
かかかか、彼氏?!
あたし、出来たことすら無いんですが…
「凛ちゃん可愛いからなあ。やっぱり誰も放っておくわけないよね…」
シュン…とした言い方とは裏腹に、先輩の手はあたしの肩に回ってきていた。
『ちょ、せんぱ………「ねえ」
耳元で突然言葉を発せられてしまい、びっくりしたと同時に心臓がどくんと跳ねた。
ちょ、ほんとに!近いってば!