あたしと寮と狼先輩。






「宮間さん、大丈夫?」



楓先輩の腕の中に収まっていたあたしの手を取り、自分のところへ引き寄せた安斎先輩。



た、た、助かったあ…………


あの状況がずっと続いたらあたしの心臓爆発してたよ絶対。






『あ、ありがとうございます…』



お礼を言うと、ニコッと笑ってゆっくりあたしの手を離してくれた。



………でもなんで?


ここに安斎先輩がいるんだろう?







「優斗、仕事は終わったのか?」



そう聞いたのは桐原先輩。




「あぁ。とりあえずはな。この後また生徒会室に戻ることになると思うけど…

とりあえず宮間さんの様子が気になって
見にきたんだ。」



楓先輩のことを見ながら言ったのには意味があるのだろう。


ははは〜と先ほどと変わらない笑顔で安斎先輩の方を見てる楓先輩は、なにも気にしない性格なのかな…










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