あたしと寮と狼先輩。
むっちゃ走った。
あたし自身が風になっちゃうんじゃないかってくらい走った。
ただ、勢いをつけすぎてしまった。
ガラガラッ…
『すみません!遅くな---ドン…ズザザザー…
「お、おぉ、宮間…だよな?ずいぶん派手な登場の仕方だなあ!
野球ではギリセーフだが、これは授業だからな!遅刻はアウトだ!」
先生の一言により、クラスに笑い声響き渡った。
そう、あたしはドアを開けた瞬間何かにつまづいてしまい教室にスライディングしてしまったのだ。
あのね、言わせてもらっていい?
めッッッちゃくちゃ恥ずかしい!!!
穴があったら入りたいとはまさにこのことだと思う。
「おい凛、大丈夫か?」
うつ伏せのまま固まっているあたしに手を差し伸べてくれたのは…
『藤堂くん………大丈夫じゃない…』