あたしと寮と狼先輩。






半泣き状態で藤堂くんの手を掴むと、ゆっくりと立ち上がらせてくれた。




「とりあえず席座んぞ」



あたしの手を掴んだまま歩き出した藤堂くんに引っ張られ、なんとか自分の席にたどり着いた。

周りからは大丈夫かー?とか、ナイスボケ!という声が聞こえてくる。





『メンタル回復するまでは勘弁したってください…』



ガチなトーンで言い返すと、お前面白いなあ!と笑い声がまた聞こえてきた。

わ、笑えねえよ馬鹿野郎………


でもまあこれでとりあえずはクラスの男の子と話すきっかけが出来たかな…?





「よし、これでクラス全員揃ったことだし、自己紹介でもするかー!」


と、テンション高めな担任の先生。



「あ、宮間はしなくていいぞ!今ので全員お前のこと覚えたと思うし」


先生のノリにみんなも、覚えた覚えたー!と乗っかっている。


嬉しいけど!嬉しいけど…膝と心が痛い。














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