あたしと寮と狼先輩。
『わかった。んじゃあ…圭?』
改めて言うと恥ずかしいなこれ…
あたしが名前を呼ぶと、ふっと口角をあげ、それでいい、と言った。
「俺そろそろ寮戻って部屋の片付けしねえと…凛はどーすんだ?」
藤堂く…ん、じゃなくて。
圭も寮って言ってたもんなー。1年の寮はどんな感じなんだろ…
『あたしも部屋片付ける、かなあ…』
はあ…
これからあの段ボールと戦わなければならないと考えると嫌でも溜息が出る。
「そうか。
つーかよ…お前、気をつけろよ?」
『…な、何にでしょうか?』
突然真面目な顔になった圭に、少しドキッとしてしまった。
「んーまあ色々…だよ。なんかあったら俺のこと呼べよ?」
あたしの頭をぽんぽんっと触った圭は、じゃーな。と言って教室を出ていった。
気をつけろ…?
もしかして、部屋にゴキブリが出るとかそういうことかな?
でも本当に虫出るんだったらあたし死んじゃうよ…
とりあえず、寮に戻って部屋の片付けしよう。
こうして、高校生活初日は終わって行くのであった…