ポケットにキミの手を
*
【十九時まで何処かで時間潰せる?】
司さんからのメールは定時直前に入った。
【司さんが遅くなるなら、家で御飯作って待ってますけど】
【イヤ、待ってて。今日は外で食べよう】
彼の体を心配して言ったつもりだったけど、返答は頑ななものだった。
仕方なく、時間を潰すためにデパートの文具コーナーにいく。
私は文具が好きで、それほど使いもしないのに集めている。
重さとか細さとかがしっくり来るボールペンなんかを見つけた時には心が踊るようだ。
【今何処?】
やがて司さんからメールが入る。時刻は十九時の十五分前。
頑張って早めに上がってくれたみたい。
場所を教えるとすぐにやってくる。
背が高くて肩幅のある彼は、凄く存在感があるから、遠くからでもすぐに分かる。
「ここです。司さん」
「待たせたね。何見てたの」
「文具です。ボールペンとか付箋とか、小さいながらも色々な機能があったりして見てると楽しいんです」
「へぇ。それは気にしたこと無かったな。さすが人総」
「社内仕事が多いからですよ」
さり気なく褒めてもらえて、気分が高揚してきた。
良かった。
なんとなく司さんも、いつも通りに戻ったみたい。
【十九時まで何処かで時間潰せる?】
司さんからのメールは定時直前に入った。
【司さんが遅くなるなら、家で御飯作って待ってますけど】
【イヤ、待ってて。今日は外で食べよう】
彼の体を心配して言ったつもりだったけど、返答は頑ななものだった。
仕方なく、時間を潰すためにデパートの文具コーナーにいく。
私は文具が好きで、それほど使いもしないのに集めている。
重さとか細さとかがしっくり来るボールペンなんかを見つけた時には心が踊るようだ。
【今何処?】
やがて司さんからメールが入る。時刻は十九時の十五分前。
頑張って早めに上がってくれたみたい。
場所を教えるとすぐにやってくる。
背が高くて肩幅のある彼は、凄く存在感があるから、遠くからでもすぐに分かる。
「ここです。司さん」
「待たせたね。何見てたの」
「文具です。ボールペンとか付箋とか、小さいながらも色々な機能があったりして見てると楽しいんです」
「へぇ。それは気にしたこと無かったな。さすが人総」
「社内仕事が多いからですよ」
さり気なく褒めてもらえて、気分が高揚してきた。
良かった。
なんとなく司さんも、いつも通りに戻ったみたい。