1日だけ
僕はズボンのポケットから財布を取り出し、中から札を抜く。


「五千円渡すから、帰ってくれ!!」


これでゲームソフトを買うつもりだったが、彼氏の座を守るためなら構わない。


「えっ? 本当に意味が……」


「頼む!!これで……」


なかなか受け取らないイケメンくんに、渡そうと頭を下げていると


ガチャッとドアの開く音がして


「敦さん。何してるんですか?」


「幸大くん……」



幸大くんが出てきた。
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