天使の贈り物
昨日の埋め合わせ?
埋め合わせも何も
そーすけさんは
……成実の……。
「何?
携帯でなんかあった?」
大分回復したらしい成実が、
携帯をもって固まる私の手から
スルーっと抜き取ってしまう。
「なんだーっ。
奏介、やるじゃん。アイツ。
昨日、連絡先ちゃっかり交換してたんだ」
成実の反応は、
私が思ってた反応とは全く違っていて……。
「……成実……怒らないの?」
「怒るって何を?」
「だって、成実昨日……
そーすけさん家に泊まったって。
泊まったってことは、
そう言うことでしょ」
そう言うことでしょ……。
その先は、
言わなくてもニュアンスでわかるはず……。
「ぷはっ!!
アンタ、どこをどうしたら
そんな想像が出来るわけ?
私が奏介と?
そんなの絶対ありえないわよ。
私はアイツの親友の彼女なんだから」
衝撃の事実は
サラリと告げられて……
私の危惧はすぐに消し去っていく。
「奏介は、親友の彼女を介抱した。
ただそれだけだよ。
奏介の部屋ってのが、
私の彼氏とシェアしてた部屋だからね」
サバサバっと語られた事実は、
私の心をゆっくりと軽やかにしてくれた。
「奏介のこと、気になってんだ?」
視線を逸らすように、
空を見て、空を見上げたまま呟いた。
「気になるって言うか……
寄り添える気がするから……」