天使の贈り物 






……ゆっくり歩いてくね……。


貴女が愛した、
そーすけさんと二人。


だから……
天国から見守っててね。
 







1年前には届けることの
出来なかった想いを込めて。









そんな私たちを祝福するのか、
はたまた……震災で傷ついた街を
抱くように……
雪がチラチラと舞い落ちる。




掌に舞い落ちては、
水となって消えていく。




「帰ろうか」



成実の声に、
2度目の街を後にする。



次にこの町を訪れたのは、
震災の日の前夜。




前日の夜から開幕された、
地元のインディーズのバンドや、
何度か、震災前にそのLIVEハウスで演奏した
県外のバンドの人たちが集まる。



無料で開放したチャリティーLIVEは、
大盛況で……、
2階・3階と各ステージ
満員御礼状態が続いた。



周辺住民公認で、
一晩中、盛り上がるLIVEハウス。

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